本研究では多数のUおよび希土類化合物におけるスピングラス(SG)現象の外場制御効果を観測した。特に、元素組成及び外部磁場の制御効果を調べるために、SG物質であるU2Pd1+xSi3-x系多結晶及びCe2CuSi3単結晶を合成し、1.8Kまでの物性測定を行った。その結果、Si含有量の増加と共にU2Pd1+xSi3-xのSG転移温度は降下することを明らかにした。量子臨界状態を達成する可能性が高い元素組成を見つけた。まだ、Ce2CuSi3の低温SG特性は磁場により変化することを確認した。特に、SG転移温度は磁場の増加と共に低温側に移動し、1.4kOe付近で量子臨界状態を実現する可能性が考えられる。
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