本プロジェクトでは、乱れのある2次元蜂の巣格子イジング模型において、乱れの程度をパラメターとした絶対零度の強磁性常磁性転移点を厳密に求めることに初めて成功した。次に、量子揺らぎによって起こる絶対零度の相転移である量子相転移の近傍で、系のパラメターをゆっくり動かすクエンチダイナミクスに注目し、物理量のパラメター変化速度に関する普遍的なキッブル・ズーレックスケール則を新たに見出した。また、パラメターをある時刻に瞬間的に動かした後に、動的量子相転移と呼ばれる、ロシュミット重なりという量の時間発展に現れる特異性を、複数の量子非可積分系において新たに発見した。
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