本研究では、3,4位に置換基を導入したチオフェン誘導体を末端停止剤前駆体として合成し、熊田触媒移動型重合(KCTP)によって得られるポリ(3-ヘキシルチオフェン)の鎖末端を官能基修飾することを目的とした。 メトキシチオフェンの場合、メトキシ基の置換位置によって末端修飾結果が大きく異なった。モデル反応から、電子豊富なチオフェンがゼロ価ニッケル錯体を捕捉していることが示唆された。一方、立体的に嵩高いオキサゾリルチオフェンの場合は、turboグリニャール試薬によって反応性を向上させ、過剰量のスチレンによってゼロ価ニッケル錯体を分子間捕捉することで、生長末端にのみ官能基を導入することに成功した。
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