本研究では,CO2の貯留安定性を大幅に向上させる新しい地中隔離技術として,高圧水中でCO2をナノスケールに微粒化して帯水層中に隔離する手法を提案し,その基礎メカニズムを明らかにした.X線可視化解析の結果,ナノスケールCO2は帯水層を模擬した多孔質モデル内で等方的に広がり,空隙中に均質に浸透することが分かった.さらにナノスケールCO2を注入した直後は,多孔質モデル内を4 mm/min程度の速度で上昇する様子も観察された.格子ボルツマン法(LBM)を用いた数値解析の結果,CO2液滴の粒径がミクロスケールまで増大すると,界面張力によって空隙部分で安定してトラップされることが示された.
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