従来より,ゆらぎといった不確定要素は制御系を乱す外乱であるという固定観念があったが,研究代表者は,制御系に含まれるゆらぎによって制御性能が向上する可能性を理論的に予測した.本研究の目的は,この成果を工学的に有益な実システムとして体現することである.具体的には,ロボットアーム系やカメラ-プロジェクタ系に対し,制御系のダイナミクスにゆらぎを含む系の性能評価を行う実験装置を導入した.特に,見かけの制御系に対してゆらぎの効果について現時点では結論を出すまでには至っていないが,ゆらぎがポジティブな役割を果たす可能性について問題点を明らかにすることができ,工学的な応用に向けて着実に前進しているといえる.
|