浄化槽整備地区からの病原微生物のノンポイント型負荷の実態を把握するため,浄化槽処理水が放流される暗渠や水路を対象とした複数の指標微生物に関する詳細な現地調査を降雨期間を含めて実施した。降雨による流量増加時において水路中の指標微生物濃度は上昇傾向にあるが,特に降雨初期に大腸菌濃度が顕著に上昇し,暗渠内堆積物の流出の影響が確認された。浄化槽整備地区からの大腸菌流出負荷量は同規模の下水道使用区と比べて9倍程度大きいと試算された。また,水路内の抽水植物や壁面付着微生物膜中の指標微生物は底泥より高く,微生物膜の有無が水路内の指標微生物の存在量に影響することが示唆された。
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