ナンヨウアブラギリ(Jatropha curcas)はその種子中にバイオディーゼルの生産に適した流動性の高い中性脂質を50%以上含み、次世代のバイオ燃料の原料作物として期待されている熱帯性灌木である。一方本植物は油脂以外に二次代謝産物として発がんプロモーション活性を持つホルボールエステル類を生産する。我々は、本植物の安全性を評価する過程でジャトロファの代謝産物中に,既存の強力な発癌プロモーション活性物質であるPMAの作用を逆に抑制する作用を持つ代謝産物が存在することを示唆する結果を得た。本研究では、この抗発がんプロモーション活性物質の化学的性状および生理活性について知見を得た。
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