情動記憶の固定化にはCRE転写調節とシナプスの構造変化が必須であることが知られているが、その分子基盤は明らかではない。CRE転写抑制因子であるICERが記憶の固定化を抑制することが知られているので、その標的遺伝子を同定し、ICERのシナプス構造変化への関与を調べることを目的とした。遺伝子の強制発現系により、ICERがニューロンのモデル細胞の突起伸長の促進効果と初代培養ニューロンの樹状突起スパインの変化を明らかにした。また、ICER強制発現PC12細胞で、ICER標的遺伝子候補を同定することができた。 本研究の成果は、記憶の固定化の分子機構のみならず、精神疾患の原因解明に寄与することが期待される。
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