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2016 年度 実績報告書

新規メモリーT細胞制御遺伝子の特性を活用した癌免疫療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26430162
研究機関大阪大学

研究代表者

藤木 文博  大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (40456926)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードメモリーT細胞
研究実績の概要

強力な癌免疫療法の開発のために、癌抗原特異的CD8陽性キラーT細胞(CTL)をメモリーT細胞として誘導することが求められている。本研究では、我々が同定した新規メモリーT細胞制御遺伝子である遺伝子#10(仮称)改変マウスにおける癌抗原特異的T細胞を詳細に解析すること、および遺伝子#10が制御するメモリーT細胞形成メカニズムを活用したT細胞の「質」を向上させる新しい癌免疫療法の開発へ向けた研究基盤を確立することを目標としている。
平成28年度では、リステリア菌感染症モデルにおいて遺伝子#10欠損OT-I T細胞のメモリー形成能亢進メカニズムの解明をCD62L分子の発現制御に着目して実施した。これまでの研究により我々は遺伝子#10欠損T細胞ではCD62Lの発現が増加することを明らかにした。さらに、遺伝子#10によって調節されるシグナルパスウェイを合成化合物を用いて阻害することでCD62L発現が増加すること、また、逆にそのシグナルパスウェイを亢進することでCD62L発現が減少することを明らかにしてきた。そこで、遺伝子#10シグナルパスウェイによるCD62L発現制御機構を解析した。その結果、これまで知られているKLF2による転写活性やCD62Lタンパクの細胞膜からのsheddingとは異なる新規のメカニズムでCD62L発現制御が達成されていることが明らかとなった。すなわち、遺伝子#10シグナルパスウェイは、CD62L locusのヒストンH3の脱アセチル化を誘導しCD62Lの発現を制御していた。遺伝子#10シグナルパスウェイは、CD62LのみならずT細胞のself-renewalやアポトーシスなどに関与することから、これらのT細胞の機能についても同様のメカニズムによって制御が行われていることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Syndecan-4 as a biomarker to predict clinical outcome for glioblastoma multiforme treated with WT1 peptide vaccine2016

    • 著者名/発表者名
      Takashima S, Oka Y, Fujiki F, Morimoto S, Nakajima H, Nakae Y, Nakata J, Nishida S, Hosen N, Tatsumi N, Mizuguchi K, Hashimoto N, Oji Y, Tsuboi A, Kumanogoh A, Sugiyama H
    • 雑誌名

      Future Sci OA

      巻: FSO96 ページ: -

    • DOI

      10.4155/fsoa-2015-0008. eCollection 2016 Oct 3.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Association of WT1 IgG antibody against WT1 peptide with prolonged survival in glioblastoma multiforme patients vaccinated with WT1 peptide2016

    • 著者名/発表者名
      Oji Y, Hashimoto N, Tsuboi A, Murakami Y, Iwai M, Kagawa N, Chiba Y, Izumoto S, Elisseeva O, Ichinohasama R, Sakamoto J, Morita S, Nakajima H, Takashima S, Nakae Y, Nakata J, Kawakami M, Nishida S, Hosen N, Fujiki F, Morimoto S, Adachi M, Iwamoto M, Oka Y, Yoshimine T, Sugiyama H.
    • 雑誌名

      Int J Cancer

      巻: 139 ページ: 1391-1401

    • DOI

      10.1002/ijc.30182. Epub 2016 May 31.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Electroporation of Dicer-Substrate siRNA Duplexes Targeting Endogenous TCR Enhance Tumor Killing Activity of Wilms' Tumor 1 (WT1)-Specific TCR-Redirected Cytotoxic T Cells2016

    • 著者名/発表者名
      Diana Campillo-Davo, Fumihiro Fujiki, Johan M.J. Van den Bergh, Evelien L. Smits, Haruo Sugiyama, Viggo F.I. Van Tendeloo and Zwi N. Berneman
    • 学会等名
      ASH Annual Meeting
    • 発表場所
      San Diego Convention Center
    • 年月日
      2016-12-05 – 2016-12-05
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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