メモリーT細胞の効率的な誘導法の確立は、強力な癌免疫療法の開発につながる。しかしながら、メモリーT細胞の分化誘導メカニズムは明らかではない。これまでに、我々はメモリーT細胞分化を調節する新規の栄養素代謝を同定することに成功した。本研究では、この栄養素代謝を阻害する低分子化合物を同定し、癌に対するT細胞移入療法の効果を増強できることを示した。さらに、メモリーT細胞のマーカーであるCD62Lの新しい発現制御メカニズムを同定した。この成果は、将来、T細胞の分化を自在に制御する方法論の確立および強力な癌免疫療法の開発に貢献すると期待される。
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