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2016 年度 実績報告書

心筋肥大におけるN-WASP-Nebl複合体の活性化制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26440045
研究機関千葉大学

研究代表者

高野 和儀  千葉大学, 大学院融合科学研究科, 助教 (60466860)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードN-WASP / Nebl / 心肥大 / 筋原線維形成 / ノックアウトマウス
研究実績の概要

心筋における新たなN-WASP結合タンパク質としてAmph2を得た。Amph2との結合様式を調べる目的でN-WASPのPro-rich領域を欠いた変異体を用いたところ,Amph2との結合が起こらなかった。したがって,Amph2-N-WASPの結合はN-WASPのPro-rich領域を介していることが明らかになった。N-WASP-Nebl複合体形成においてもN-WASPのPro-rich領域を介するため,N-WASPとNeblの結合とAmph2との結合は競合的であると考えられる。そこでさらにBARドメインにおいて骨格筋における中心核病に関わる変異をAmph2に導入したところ,N-WASPとの結合が減少した。また,培養細胞内ではN-WASPとAmph2は細胞膜において特に共存する様子がライブセルイメージングにより観察された。これらの結果からAmph2による膜変形と協調してN-WASPとの結合が増強する可能性が示唆された。CFPとYFPをN-WASPのN末端とC末端にそれぞれ繋いだFRETバイオセンサーは観察時に蛍光が減弱していくことが明らかになったため,現状で最高の蛍光を発するシアンおよび黄色蛍光タンパク質であるmoxCelurean3およびmCitrineを用いて再構築している。一方,N-WASPの心筋特異的誘導性コンディショナルノックアウトマウスの作成を完了した。作成したマウス成体においてタモキシフェンを導入し,心臓発生に影響することなくN-WASPを心筋特異的にノックアウトしたところ,大動脈結紮術を行わずして3ヶ月ほどで心肥大が起こった。また,心室における心筋細胞径の短縮に対応して心筋壁も薄くなっており,さらに心筋壁には炎症や繊維化が起こっていた。したがって,N-WASPは心筋細胞の強度を維持するために働いており,筋原線維形成がそれを担う可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] TBP-like Protein (TLP) Disrupts the p53-MDM2 Interaction and Induces Long-lasting p53 Activation.2017

    • 著者名/発表者名
      Maeda R, Tamashiro H, Takano K, Takahashi H, Suzuki H, Saito S, Kojima W, Adachi N, Ura K, Endo T, Tamura TA.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem.

      巻: 292 ページ: 3201-3212

    • DOI

      10.1074/jbc.M116.763318.

    • 査読あり
  • [学会発表] BMP2によるM-Rasを介した骨芽細胞への分化転換のシグナル伝達機構2016

    • 著者名/発表者名
      山中菜々子,守越彩乃,渡邉-高野晴子,高野和儀,遠藤剛
    • 学会等名
      第89回 日本生化学会大会
    • 発表場所
      仙台国際センター/東北大学川内北キャンパス
    • 年月日
      2016-09-25 – 2016-09-27
  • [学会発表] 横紋筋肥大・再生時の筋原線維形成および核配置におけるN-WASPの役割2016

    • 著者名/発表者名
      高野和儀,久光憧志,渡邉-高野晴子,遠藤剛
    • 学会等名
      第89回 日本生化学会大会
    • 発表場所
      仙台国際センター/東北大学川内北キャンパス
    • 年月日
      2016-09-25 – 2016-09-27
  • [学会発表] DA-RafによるRas-ERKカスケード阻害の分子機構2016

    • 著者名/発表者名
      高野和儀,菅野英美里,菅波晃子,田村裕,遠藤剛
    • 学会等名
      第68回 日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      京都テルサ
    • 年月日
      2016-06-15 – 2016-06-17
  • [学会発表] DA-Rafによるがん化抑制におけるストレスファイバー回復の分子機構2016

    • 著者名/発表者名
      川崎修,菅野英美里,高野和儀,遠藤剛
    • 学会等名
      第68回 日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      京都テルサ
    • 年月日
      2016-06-15 – 2016-06-17
  • [備考] 千葉大学理学部生物学科遠藤研究室

    • URL

      http://life.s.chiba-u.jp/telab/

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公開日: 2018-01-16  

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