親が受けたストレスが次世代に影響するという現象は、これまで、多くの疫学的報告で語られていたが、最近ようやく、幾つかのモデル生物を用いた実験による報告が蓄積されつつある。しかしながら、そのメカニズムについては未だよく分かっていない。本研究では、拘束ストレスをショウジョウバエに与える実験系を確立し、父親への拘束ストレスにより、次世代のエピゲノム状態に影響し、更にエネルギー代謝の恒常性に影響を与えることを見出した。また、本機構にp38-dATF-2シグナル経路が中心的役割を担っていることを示唆する結果を得ており、本機構の分子機構の解明へ、大きく前進することが出来た。
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