本研究では、水田の生物由来の養分を供給する可能性があるタニシ等を材料に、タニシと温度が、イネの生育と水田の淡水生物の生存、発育、繁殖に及ぼす影響をミニ水田と室内実験で明らかにした。その結果、ミニ水田での実験による温度とタニシがイネの生育に与える影響では、タニシは草丈と葉色を増加させたが、株数は非有意であった。高温により草丈が高くなったが、株数は少なく、葉色への影響は非有意であった。一方、タニシと温度がサカマキガイとカワニナの生存等の生物的要因と窒素等の非生物的要因に与える影響を解明する室内実験では、温度は非生物的要因に与える影響が強く、タニシは生物的要因に与える影響が強い傾向があった。
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