D-体特異的アミノ酸アミド加水分解酵素(DAH)は“アミノリシス”を触媒するセリンペプチダーゼであり、新奇機能物質の探索ツールへの応用が可能である。DAHのX線結晶構造解析を行った結果、1.6Åの解像度で結晶構造が決定され、活性中心を擁する大きなくぼみと、活性中心に小さなポケットが存在していた。ポケットを構成する残基をAla置換し、アミノリシスへの影響を調べた結果、Ile336をAlaに置換することで、アミノリシスにおけるアシル受容体特異性の幅が広がり、アミノリシス活性の増強に効果的であることが明らかとなり、ポケットの形状の変化がアミノリシス活性を向上させている要因であることが予測された。
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