スギ人工林流域で、間伐に伴う懸濁物質(SS)およびSSに含まれるセシウム137(Cs-137)の流出実態を明らかにした。間伐直後、出水時のSS濃度は間伐前より高い値が観察されたが、間伐前より高いSS濃度の出現頻度は、間伐翌年から低下した。SSのCs-137濃度は概ね時間とともに低下し、明確な上昇はみられなかった。間伐直後、出水時のSS流出が増える為、Cs-137の流出増加が懸念されるが、大雨出水時のSSに含まれるCs-137濃度の低下、流域内部の裸地の減少によりCs-137流出を抑制する現象も起きていた。以上より、間伐中や間伐後にCs-137の下流域への流出増大の明確な兆候は認められなかった。
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