ふたり親世帯と母子世帯を比較することによって、母子世帯の母親と子どもの食行動・食意識の特徴を解明することを目的とした。複数の大規模標本調査を用いて定量分析を行うことによって、次のことを明らかにした。1)母子世帯の子どもは朝食欠食率が有意に高い。さらに、母子世帯の母親も欠食頻度が高く栄養バランスの乱れた食事をしており、食の安全性への関心度が低く、家事時間が短い。こうした背景として、母子世帯の母親は長時間就労を余儀なくされており,睡眠時間を削ってもなお家事に配分できる時間が限られているという事実が指摘できる。2)母子世帯出身者は、成人後も子ども時代の欠食習慣の影響を受けて朝食欠食率が高い。
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