育成初期から低質粗飼料を給与することが反芻動物の消化および代謝に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。離乳後の子羊に低質粗飼料(スーダングラス乾草)または標準的な粗飼料(チモシー乾草)を4から6ヵ月給与し,その後はいずれも低質粗飼料を給与した。育成期から低質粗飼料を摂取させることで、体内での窒素利用効率が改善し、動物の基礎代謝量を下げることが示唆された。また、尿素サイクルおよびアミノ酸代謝は窒素リサイクルを増加させるために活性化し、肝臓中の脂質酸化は減少することが明らかとなった。しかしながら、低質粗飼料の経験期間が1ヵ月程度でも肝臓における同様の代謝の変化が起こることも明らかとなった。
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