モズのはやにえ行動の季節性ならびに植生とモズのはやにえの質・量との関係について検討した。はやにえ行動には,テリトリー形成に関わる時期,越冬に向けての貯食行動が増加する時期,育雛の時期など,本種の年間の生活周期との関係に加えて,主たる餌資源となるバッタ目の生活史との関係が示唆された。また,高い放牧強度で維持されている群落高の低い野草地では,はやにえの量が多く,バッタ目の出現種数および個体数も多かった。 放牧利用により形成された群落高の低い野草地では,餌となるバッタ目の質・量が豊富なことや,止まり木(牧柵)からの飛び降り捕食において餌の発見が容易であるなど,生息に有利な条件があると考えられた。
|