スギ人工林の森林管理による窒素循環に関わる微生物群集構造について調査した。管理は無間伐区、弱度間伐区、強度間伐区で比較した。それぞれの土壌を採取し、N2O還元酵素のnosZ遺伝子について解析した。その結果、強度間伐区では、他区に比較してnosZ遺伝子量が高かった。さらに、種構成も、強度間伐区でのみ検出された種があり、ダイズ根粒菌で知られるBradyrhizobium japonicum USDA110株に近縁であった。強度間伐区の下草植生には、他区になかったマメ科植物があった。よって、強度間伐区では、下草植生の影響で脱窒能が高い細菌が存在し、その結果、窒素浄化が高い可能性が考えられた。
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