大型の樹木の移植を行う際に,枝の切断や根系の損傷を伴う作業が必要となる。造園の技術者らは現場での経験知に基づいて,どの樹種が移植時に枯死する危険性が高い移植困難木であるか,枯死を回避するためにどの程度の大きさの根鉢を作成すべきかを感覚的に理解している。この経験知を樹液流速という科学的データに基づいて明らかにすることを目的として,本研究では適切な移植作業に有益な樹液流のデータセットを作成した。また,国内で広く普及している樹液流測定法のグラニエ法を基準として、普及度が低いHeat Ratio(HR)法およびHeat Field Deformation(HFD)法の測定精度を年スケールで確認した。
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