Rh(I)触媒による4-アレナールの触媒的不斉環化反応の反応機構を明らかにすべく検討を行なった。その結果、反応の経時変化を詳細に解析することにより、添加剤であるニトリルはアレンのラセミ化を促進していることが示唆された。また、アレンを基質とする新たな触媒的不斉環化反応の開発を目指し検討を行ない、3つの新しい環化反応の開発に成功した。これらの反応においても基質のアレン部分は反応系内で容易にラセミ化し、反応経路に大きく影響を与えることがわかった。Rh(I)触媒によりアレンは比較的容易にラセミ化することから、この現象を利用することにで新たな触媒的不斉反応の開発が可能になるものと期待される。
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