グリーンタイドとは、一般的に、沿岸部等を真緑もしくは黄緑色に変える現象で、数種の微細緑藻類やアナアオサなどの緑藻類が異常増殖した状態である。グリーンタイドは、毎年、漁業や水産業等に甚大な被害や影響を及ぼすことから、今回、その発生を予防・防止するための防藻剤の創製を試みた。そして、緑藻類の成長必須因子であるサルーシンの構造活性相関研究を通じて、サルーシンに競合拮抗する防藻剤候補化合物を見出した。また、独自開発した酵素分割法を用いて、防藻剤候補化合物の不斉合成法を確立し、光学活性体およびその蛍光標識体の不斉合成を達成した。
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