スフィンゴ脂質は生体膜構成脂質であるが細胞内・細胞間のシグナル分子としても働く。本研究では、炎症に重要な細胞質型alpha ホスホリパーゼ A2 活性に対するスフィンゴ脂質の役割、セラミドキナーゼなどの制御機構、これら酵素に対するガラクトース結合型スフィンゴ脂質などの作用を解析した。1)ミトコンドリア局在を示す脂質カルジオリピンがセラミドキナーゼと直接結合し活性を調節している、2)ガラクトース結合型脂質ラクトシルセラミドが細胞膜NADPH オキシダーゼを介してホスホリパーゼA2 を活性化している、3)セラミドキナーゼノックアウトマウスでは薬剤誘導性大腸炎の悪化を亢進させるなどを明らかにした。
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