研究課題
グリオーマ細胞の移動・浸潤のJNK/MMP-9シグナル以外のメカニズムとして,EMTの関与を考えた。まず,Caspr1をノックダウンし,いくつかのEMT関連遺伝子の発現を調べたところ,発現変動を認めた遺伝子が存在しなかったことから,少なくともCaspr1がEMTを制御している可能性は否定的となった。しかしながら,EMT誘導因子であるTGF-βを処理したところ,Caspr1の発現低下がみられた。TGF-βがEMTを誘導する際には,E-cadherinのプロモーター領域に存在するE-box結合部位に結合することで,E-cadherinの転写活性を抑制することが報告されている。Caspr1のプロモーター領域をTF searchにて調べたところ,E-boxの存在が明らかとなったため,EMT誘導がCaspr1のプロモーター活性を制御している可能性を考えた。そこで,TGF-β処理時のCaspr1プロモーター活性を検証すべく必要な材料の入手を完了したが,まだ結果を得るまでに至っていない。また,グリオーマ患者におけるCaspr1の発現状況について免疫組織染色法を用いて調べた。いくつかの症例で発現が確認されたものの,発現量とグレードとの間に何らかの相関性を見出すことはできなかった。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)
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