早期発見・診断及び分子標的治療が進んでいたが、乳がんは女性によく見られるがんであり、がん関連死の重要な要因の一つである。抗がん剤の薬物耐性及びがんの再発などにより、新たな乳がん薬物治療法開発が求められている。 本研究では、乳がん細胞に対するヒ素化合物単独及びテトランドリンとの併用効果を検討し、両薬物併用による相乗的な殺細胞効果を明らかにした。さらに、乳がん動物モデルにおける両薬物の併用効果を解明するとともに、いずれの投与群における動物体重の変化が殆ど観察されなかったことから両薬物併用による副作用が少ないことを示唆し、乳がん薬物治療にヒ素化合物を主体とした新たな治療法開発につながる研究成果を得た。
|