本研究ではバレル神経回路において興奮・抑制バランスを修飾する可能性のある受容体としてニコチン性アセチルコリン受容体に注目した。研究の結果、代表的なサブユニットb2, a7そのものの局在解析は困難であることが分かったため、a7の細胞膜局在に必須であるTMEM35の発現解析によりa7の細胞発現を推定した。その結果、発現パターンの強弱に神経化学特性との関連性があり、三叉神経核領域では興奮性細胞に、逆に視床や大脳皮質では抑制性介在細胞に発現していた。これらの結果から、a7受容体が、三叉神経核レベルと視床・大脳皮質レベルでは逆の発現パターンを持ち、興奮・抑制の調節に寄与する可能性が示唆された。
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