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2014 年度 実施状況報告書

腎糸球体ポドサイトでのミトコンドリア細胞内分布の意義

研究課題

研究課題/領域番号 26460274
研究機関京都大学

研究代表者

仲川 孝彦  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60641595)

研究分担者 李 頴  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30437222)
小沢 将太  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (70643568)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードポドサイト / ミトコンドリア / 細胞内分布 / アクチン
研究実績の概要

本年度は研究実施計画にあるように、培養ポドサイトにおいて、ミトコンドリア細胞内分布とアクチン繊維の細胞内分布に関連があるのかどうかを検討した。(方法)ミトコンドリア分布を細胞内で変化させるために、アデノウイルスを用いてミトコンドリア融合因子であるMitofusin2(Mfn2)を過剰発現させた。またその時にミトコンドリアの細胞内分布が変化しているかどうかをmitotrackerにて、またアクチン繊維の細胞内分布の変化をphalloidin染色にて検討した。(結果)Weatern blotting により、アデノウイルス感染後24から72時間でMfn2の過剰発現が認められた。その時点では、ミトコンドリアが細胞の一か所に集積していることが確認され、その細胞内分布は正常状態とは明らかに異なるものであった。この細胞のアクチン繊維を検討すると、ミトコンドリア周囲にはストレスファイバーといった太いアクチン繊維束が存在したが、lamellipoidaは認められなかった。一方で細胞内でミトコンドリアが疎である部位にはむしろ大きなlamellipoidaが形成されているのが認められた。(結論)ミトコンドリアの細胞内部位を変化させると、アクチン繊維の分布も変化し、その結果、細胞の形態が変化することが明らかとなった。ミトコンドリアはアクチン繊維の細胞内分布に重要な役割を担っていることが考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通りに順調に進んでいる。培養ポドサイトはユニークな特徴を有する細胞であるが、幸いにもアデノウイルスがポドサイトに対し強い感染力を保持していたこと、またその結果として遺伝子組み換えタンパクの過剰発現に成功したことがその要因であると思われる。

今後の研究の推進方策

次の課題は、ミトコンドリアの細胞内分布の異常により細胞内ATP分布に変化が生じるかどうか?である。またそのATP細胞内分布がアクチン繊維や細胞形態に影響を与えうるかどうかを検討する。この際に重要なポイントは、細胞内のATP分布をどのように観察するかということである。従来の方法では、細胞のATPレベルの総量を測定することは可能であったが、残念ながら細胞内のATP分布を検討することはできない。我々は、京都大学白眉プロジェクトとの共同研究により、ポドサイトにおけるATPの細胞内分布を測定する方法を確立したいと考えている。ミトコンドリア分布と細胞内ATP分布の関係を検討したいと考えている。

もう一つのATP産生系である解糖系の役割に関しても検討したい。ポドサイトではミトコンドリアと解糖系の両システムが機能していることが報告されているがそのそれぞれの役割は定かではない。ミトコンドリアと同様に、ATP分布やアクチン繊維における解糖系の役割を検討したい。

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公開日: 2016-05-27  

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