この慢性腎臓病の発症・進展の機序の一つが腎糸球体構成細胞の1つであるポドサイトの機能異常である。正常なポドサイト形態維持におけるミトコンドリアと解糖系の役割を検討した。解糖系を阻害するとlamellipodiaの消失や運動能の減少が認められたが、ミトコンドリア阻害ではその現象が認められなかった。また、解糖系を阻害すると細胞辺縁部のATPのみが消失し、ミトコンドリア阻害ではその部位のATPは保持された。したがって、細胞内ATP分布は解糖系とミトコンドリアの両者がそれぞれの役割を担っており、特に細胞辺縁部では解糖系由来のATPが優位に存在すると考えられた。
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