二連発の電気刺激により頭蓋骨上から記録される体性感覚誘発電位は、麻酔深度が深い場合には、300 msの短い刺激間隔では二発目の刺激に対する誘発反応の振幅が、麻酔が浅い時と比べて有意に低下するという現象が見られる。この現象の機序を調べるために電流源密度推定法を用いて検討した。本研究の結果から、麻酔薬による皮質興奮性の低下は、全ての神経細胞に一様に引き起こされているわけではない可能性が示唆された。また、皮質のγアミノ酪酸作働性介在神経の役割については、本研究からは明らかとはならなかった。今後同現象の詳細な機序についてのさらなる研究が必要であると考えられる。
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