申請者は妊娠高血圧腎症の遺伝子改変モデル動物を世界で初めて報告し、catechol-o-methyltransferase(COMT)不全を介したカテコール代謝異常がその原因であることを解明した。妊娠高血圧腎症とメタボリックシンドローム(Mets)は臨床的な共通点が多い。そこで、申請者はCOMT不全と結果としてのカテコール代謝不全が妊娠高血圧のみならず、メタボリックシンドロームの共通の分子機構と仮説し検討を行った。本検討では、Metsの主たる症状のうち、高血圧と耐糖能異常に関してはCOMT不全及び結果としての2-methoxyestradiol欠乏がその発症に寄与することが明らかとなった。
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