胃癌は日本で癌死亡率の第二位を占める。診断技術の進歩により、初期に発見される早期胃癌の治療成績は向上したが、悪性度が高まった進行胃癌の治療成績は良好ではない。特に分化度の低い低分化型胃癌は高分化型より、リンパ節や腹膜への転移の頻度が高く、抗癌剤による化学療法が治療成績を大きく左右する。本研究は予後不良な低分化型胃癌に対する分子標的治療の実現を目的とした。そのために、①臨床検体および培養細胞株を用いて低分化型胃癌に特徴的な遺伝子異常を同定した。続いて②培養細胞を用いた機能解析により、低分化型胃癌の分子標的となる異常遺伝子を同定した。これらの結果を胃癌における効果的な分子標的治療の実現へ繋げたい。
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