研究課題
当該年度では種々の細胞株を用いた予備実験を行い、MET遺伝子の増幅を有する卵巣明細胞腺癌細胞株ではMETのノックダウンと同様に、MET阻害剤によってMETのリン酸化が抑制され、細胞の生存率が有意に低下することが明らかとなった。また本現象の下流の因子についての解析を行っっている。さらに本年度では以下の予備実験も行った。まず、三種類の卵巣明細胞腺癌の細胞株をヌードマウスの皮下に移植するモデルの作成を行ったところ、三種類のうちの一種類では生着したが(4/10)、他ではうまく生着しなかった(0/10)。ただし、生着した細胞の病理組織学的検索では腫瘍細胞は明細胞の形態を示し、またHNF1bの免疫染色で核の陽性像を認め、さらにFISH法でMET遺伝子の増幅を有することが確認できた。次年度では移植方法を再検討し(腹腔内移植など)、生着率の向上を目指したうえで阻害剤投与実験を行う予定である。その他としては、本実験で用いるコンストラクトの作成やFISHのプローブに用いるBACの精製などについても行った。また、次年度以降の計画に記載済みの乳癌および子宮体癌の症例についての準備を行った。
3: やや遅れている
ヌードマウスへの移植実験の効率が予想より悪かったため、当初の予定よりも計画の進行がやや遅れている。
ヌードマウスの移植実験の進行が若干遅れているため、次年度は移植方法を変更するもしくは使用する細胞株を変更して進行速度を上げる予定である。その他の臨床材料等の準備は整っているため、この部分さえ解決できれば次年度以降は順調に進捗すると考えている。
当該年度の研究の進行が予定より若干遅れたため。
次年度以降でヌードマウスへの移植実験を予定より多く行うことになるため、その費用にあてる。
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