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悪性中皮腫ではEZH2が高発現しBAP1遺伝子に変異がみられる。RNA干渉法により中皮腫細胞のEZH2発現を抑制させると、細胞増殖能、細胞運動能、造腫瘍能が低下したが、中皮細胞にEZH2を高発現させても造腫瘍能を誘導できなかった。悪性中皮腫患者のEZH2高発現群はEZH2低発現群に比べて予後不良であった。中皮細胞の腫瘍化にはEZH2の高発現だけでは不十分であるが、悪性中皮腫の予後にはEZH2が制御する増殖浸潤関連分子が関与していると考えられる。
BAP1変異は上皮型中皮腫の診断に有用な分子マーカーと考えられるが、悪性中皮腫におけるBAP1の生物学的意義については更なる検討が必要である。
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