本研究ではマウス正常巨核球前駆細胞を対象に、脳由来神経栄養因子(BDNF)の正常巨核球への生理作用を検討した。In vitroにおいてBDNFは巨核球の自己増殖を促進したが、多核化や血小板産生は促進せず、BDNFのmegakaryocyte-colony stimulating factorとしての生理作用が示された。しかし、抗血小板抗体を用いた一過性血小板減少症モデルマウスへのBDNF投与は血小板数回復への促進作用をもたらさなかった。昨年、マウスではヒトと異なり巨核球がBDNFを産生しないことが報告された。今後は、マウスに替わるin vivoモデルの構築が必須事項であることが明らかになった。
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