ピロリ菌感染は免疫性血小板減少症(ITP)に関与し、我々はこれまでにピロリ菌外膜蛋白(Hp-OMP)、血小板および抗Hp-OMP抗体からなる免疫複合体が、ピロリ菌関連ITPに関与している可能性を報告している。本研究では、免疫複合体の貪食細胞への食作用の観察およびELISAによるHp-OMP抗体の検出を試みた。ITP患者をピロリ菌陰性群(Hp-N)、ピロリ菌陽性で除菌成功(CR)群または除菌失敗(NR)群に分類し、Hp-OMPに対する抗体の反応性を解析した。抗Hp-OMP抗体は、Hp-Nよりも感染群で有意に高く、NRよりCRでより高値を示す傾向が認められた。免疫複合体の貪食は確認できなかった。
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