末梢神経が傷ついた時の痛みは、有効な治療薬および治療法がなく、慢性の痛みに移行する場合が多い。また、何かに触れた時の痛みと同様に自発的な痛みも臨床上問題となる。本研究では、神経障害性疼痛モデル動物の自発行動を経時的に測定した。中枢神経での神経活動を記録し、その後末梢神経からの入力を遮断することによって中枢神経の自発活動がどのくらい残るかを指標に痛みの責任部位の中枢への移行時期を調べた。自発行動は術後21日目以降で有意に多くなり、その時期から中枢神経の自発活動は末梢からの入力にあまり依存しないで活動していることが解かった。このことより痛みの主な責任部位が移行することが示唆された。
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