カドミウムは内分泌撹乱物質として報告されている。低濃度カドミウム慢性中毒は症状の隠蔽性が高く、特に発がん性などの生体影響と分子メカニズムが不明である。本研究は低用量カドミウム曝露による乳癌の発がんを解析した。ヒト乳癌培養細胞株であるMCF-7細胞を1nM-1μMの塩化カドミウムにより長期間培養し、特異的な発現変化を示すマイクロRNA(miRNA)、エストロゲン受容体活性化、細胞死感受性などについて解析した。本研究により、低用量カドミウムによるMCF-7細胞のmiRNA発現変化及び乳癌の発がんに寄与する分子メカニズムの一部分が解明されると考えられる。
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