動脈石灰化の組織学的分類法の確立を試みた。法医解剖で得られた大動脈の石灰化の強い部分について標本を作製し、1)びまん性石灰化、2)微細石灰化、3)内膜のびまん性石灰化、4)石灰化部位が骨化もしくは骨髄形成に大別した。急性動脈解離例の内膜亀裂部位の組織所見と、コントロール例の大動脈組織所見を比較検討した。両者についてCystic medial necrosis、Elastin fragmentation、Fibrosis、Medionecrosisについて半定量化した。大動脈解離の発症に、進行した粥状硬化症による中膜の脆弱性との関連性は否定できないと考えられた。
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