我々は炎症性腸疾患疾患感受性領域に存在するゲノム変異が近傍のDNAメチレーション変化を引き起こし、遺伝子発現に影響を与え、疾患発症を引き起こしていると予想している。そこで200の疾患感受性領域を中心にアリル特異的にDNAメチレーションの変化が認められるか、T cellから精製したゲノムDNAを検体とし、ジャポニカアレイを用いて解析した。その結果、インプリンティング領域を除いた218ケ所のSNP周囲にアリル特異的メチル化を確認し、そのうちの2ケ所が炎症性腸疾患感受性領域に存在していた。またそのうちの1ケ所でアリル間で発現差を認めた。これらの結果は前述の仮説の傍証となるものであった。
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