肝癌では血管新生が重要な役割を果たしている。本研究では、肝癌の病態や治療における血管新生関連ミエロイド系細胞(Tie2陽性単球:TEM、マクロファージ)の機能を明らかにすることを目的とした。 非アルコール性脂肪性肝疾患患者において、肝線維化進行・肝発癌に伴いマクロファージは増加し、血清YKL-40(マクロファージ関連因子)は増加した。進行肝癌に対しソラフェニブ治療を行った患者では、治療開始1ヶ月でのTEM頻度変化は抗腫瘍効果、生命予後と関連した。肝癌の病態にミエロイド系細胞が関与しており、TEMはソラフェニブ治療効果を判別するバイオマーカーとしても有用である。
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