研究課題
研究実績の概要1.培養心筋細胞における活性酸素種、飽和脂肪酸負荷によるmitochondria 機能障害とinsulin 抵抗性に及ぼすω-3 PUFA の保護効果【方法】ウシ血清培養による分化H9c2 細胞を使用した。飽和脂肪酸のパルミチン酸 (PAL)単独または、エイコサペンタイン酸(EPA)をPALと同時に投与した。Mitochondria 形態と膜電位は、蛍光色素を負荷し、レーザー顕微鏡にて評価した。【結果】(1) H9c2細胞がPALに暴露されると、caspase3/7が活性化され、脂肪毒性が示された。PAL処理心筋細胞は、dynamin-related protein 1(Drp1)の増加とmitochondriaの細分化、膜電位の脱分極を認め、mitochondriaの動態変化と機能障害を示唆した。PAL処理細胞にEPAを付加すると、caspase 3/7は減少し、Drp1の発現とmitochondria細分化は低下し、膜電位は保持された。3) EPAはAMPKを活性化しており、AMPK活性化剤よってもEPAと同様の抑制効果が得られた。【結論】EPAはAMPKを介してPALによるDrp1の増加とmitochondria動態を抑制し、脂肪毒性を軽減させる。2.冠動脈疾患症例における魚類接種とEPAのLDLに対する効果の比較【方法】外来通院中の冠動脈疾患患者84名において、脂質4分画と酸化LDLを測定し、魚類摂取の励行群(n=44)とEPA(1800mg/d, n=40)投与群に分けて2年後の計測値を比較した。【結果】両群ともEPA値、EPA/AA比は増加したが、EPA群の方が増加は大きかった。両群ともにLDL-cは不変であったが、MDA-LDLは減少し、その程度に群間で差はなかった。【結論】魚類摂取の励行は酸化LDLに対してEPA服用と同等の効果を有する。
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