慢性心不全患者34名、健常コントロール19名を対象に、心不全患者の栄養状態を体成分分析、間接熱量測定などから評価を行った。その結果、重症心不全患者ではコントロール群と比較して体脂肪の消耗と下肢骨格筋肉量の低下を特徴とする栄養障害を認めた。また、重症心不全患者ではエネルギー消費量がエネルギー摂取量を上回っており、負のエネルギー出納状態であることが示唆された。その原因は、エネルギー摂取量の低下およびエネルギー消費量の両方によるものであった。この負のエネルギー出納は、心不全の重症化に伴って悪化する可能性が示唆された。
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