気管支喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)は気道の慢性炎症性疾患であるがメカニズムは複雑で治癒を目指す治療薬は未だ開発されていない。我々は喘息及び肺気腫マウスモデルを作製後レチノイドX受容体(RXR)パーシャルアゴニスト(NEt-4IB)を経口投与し、種々の気道炎症に対する効果を検討した。本剤は喘息モデルにおいて抗原特異的気道過敏性の亢進及び好酸球性気道炎症を有意に抑制し、またエラスターゼ経気道投与及びタバコ煙抽出液誘発肺気腫モデルにおける好中球性気道炎症及び気腫性変化を有意に抑制した。本研究によりRXRパーシャルアゴニストは喘息及びCOPDに対する新たな治療戦略となり得る可能性が示唆された。
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