ネスチンは神経幹細胞に発現し中枢神経系発生に関わるⅥ型中間径フィラメント蛋白である。本研究では、ネスチンが小細胞肺癌の悪性形質や臨床転帰に及ぼす影響について検討した。ネスチンはin vivoにおける腫瘍増殖、さらに抗癌剤耐性にも関与していた。患者検体を用いてネスチン発現を免疫組織染色により検討したところ、二次治療における病勢制御率はネスチン陽性例でやや低い傾向にあった。さらに無増悪生存期間はネスチン陽性例で有意に短かった。本研究により、ネスチンは小細胞肺癌における抗癌剤耐性や臨床転帰へ影響を与える可能性が示唆された。
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