慢性維持血液透析患者において血清NGAL値は健常人の13倍に増加し、末梢血好中球数、筋肉量、蛋白摂取量により規定された。血清NGAL低値の透析患者では1年間で有意に血清アルブミン値が低下し、入院を要する重症感染症を発症しやすい傾向を示した。薬剤誘導性メガリンノックアウトマウスを用いて、尿蛋白再吸収をほぼ完全に遮断すると、細胞死を伴わなくとも、尿中NGAL値が800倍に著増した。高脂肪食負荷あるいは寒冷暴露を行うと、NGALノックアウトマウスではコントロールマウスと比して、褐色脂肪がより強く活性化され、体重増加および体温低下が抑制された。NGALは肥満時に白色脂肪で発現誘導され、肥満を増強した。
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