我々は、腸管リン代謝に腸型アルカリホスファターゼ (IAP) が関与すると仮定し、その役割を解明するために腸ALPノックアウトマウスの解析を行った。腸ALPノックアウトマウス小腸上部におけるALP活性の低下を確認した。IAPノックアウトマウスは野生型マウスと比較し、腎臓24水酸化酵素の発現が減少し、血中の活性型ビタミンD濃度は上昇していた。更に、腎臓NaPi発現及びリンの取り込みは両マウスで変化は認められなかったが、腸管Npt2bはIAPノックアウトマウスで有意に減少、小腸でのリンの取り込みも低下していた。本研究において、腸ALPが腸管リン代謝に関与することが明らかとなった。
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