研究課題/領域番号 |
26461293
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
奥野 龍禎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00464248)
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研究分担者 |
中辻 裕司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20332744)
甲田 亨 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (70626134) [辞退]
多田 智 大阪大学, 微生物病研究所, 研究員 (70626530) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | セマフォリン / 多発性硬化症 / EAE |
研究実績の概要 |
我々は、これまで、MS患者の約30%が血清Sema4A高値であり、Sema4Aの高値群では、TH17が増加しさらにIFN治療群で改善しない傾向があることから、MS患者におけるSema4A高値群はIFN-β抵抗性と相関があると報告してきた。本年度はさらにその解析を進めた。近年、多発性硬化症に対して、再発抑制効果が高い疾患修飾薬が多数使用可能となり、完全寛解が治療目標となっている。また近年完全寛解の指標としてNEDAが用いられるようになっていいる。NEDAは「No Evidence of Disease Activity」の略で、①臨床的な再発症状がなく、②EDSS scoreの悪化がなく、③そしてMRIで新規および拡大病変を認めないこの3点を満たす状態と定義されている。 我々はIFNβ治療を6か月以上受けた12歳以上のRRMS患者に関して、治療介入の前後でsema4Aの高値・低値でNEDAの達成率を評価した。また、MSの実験動物であるEAEにTh17を移入し、野生型とSema4AノックアウトマウスにおけるIFNβ投与の影響を評価した。 NEDAの各構成成分であるRelapse, EDSS progression, MRIおよびNEDAの4項目について、縦軸が悪化がない患者の割合(%)、横軸が期間5年として、継時的変化検討したところいずれの項目も、Sema4A高値例では、低値例と比べると、達成率が低かった。また、5年でのNEDAでは、高値例7%、低値例25%と、差を顕著に認めた。 またTh17を移入したEAE実験では、野生型においてはインターフェロン投与により症状の悪化を認めたが、Sema4AKOでは治インターフェロンによる悪化を認めなかった。 血清Sema4A高値MSでは、IFN投与後のNEDA達成率が低く、Sema4A高値例はIFNによる完全寛解が得られにくいことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒトでもEAEでもセマフォリンに関する知見が得られてきている
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今後の研究の推進方策 |
さらにセマフォリンについての検討を動物モデルとMS患者サンプルを用いて行う
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画の変更に伴い予定していた予算を使用しなかった
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は使用する予定である
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