研究課題/領域番号 |
26461311
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
大崎 康史 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (20294829)
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研究分担者 |
森田 ゆかり 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (10363293)
古谷 博和 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (60253415)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / 運動症状 / 運動合併症 / 非運動症状 / ニューロトランスミッター |
研究実績の概要 |
37例の病初期・未治療パーキンソン病患者(男21例、女16例、年齢43-85歳)を登録した。前駆症状の有無とともに、運動症状、運動合併症、非運動症状、衝動性障害の追跡を行っている。運動症状として、片側性から両側性への進展、転倒、すくみ足、構音障害、嚥下障害。運動合併症と入して、ジスキネジアとオン・オフ現象。非運動症状としては、起立性低血圧(ノルアドレナリン系)、不眠、過眠傾向、RBD(コリン系)、抑うつ、不安、アパシー、疲労、痛み(セロトニン系)。衝動性障害としては、DDS、DAWS、ICDの有無を含めた。各項目が出現するまでの期間を測定した。 前駆症状のなかで多いものは、嗅覚低下と便秘であった。9例は未だ薬物治療の開始に至らず、28例では薬物治療が開始されてレボドパ換算量は40-534mgであった。運動症状では、23例ですでに両側性となり、5例は転倒を経験した。Hohen-Yahr重症度は1-4度である。運動合併症のなかで、ジスキネジアを呈したものはなく、オン・オフ現象を3例に認めた。非運動症状としては、起立性低血圧(ノルアドレナリン系)を呈したものはおらず、不眠、過眠傾向、RBD(コリン系)を8例、抑うつ、不安、アパシー、疲労、痛み(セロトニン系)を11例に認めた。衝動性障害を呈したものはいない。 病初期・未治療パーキンソン病患者が、運動症状と運動合併症の進展程度が明らかになった。また、運動症状が出現してパーキンソン病の診断を受けたのちに、非ドパミン系の症状と考えられる非運動症状を呈するようになる状態が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
病初期・未治療パーキンソン病患者における前駆症状と、運動症状、運動合併症、非運動症状の進展形式はある程度明らかにすることができている。 画像解析がまだ不十分であるところが遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
さらに症例を増やして、特にMRIの画像解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度は国際学会出席を見送ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は国際学会に出席することが決定している。
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