研究課題
新規発症・未治療 パーキンソン病患者 52例(発症年齢:43-85歳)を、初診時から前向きに9か月(6-146か月)追跡した。運動症状、運動合併症のほかに非運動症状として、睡眠関連(質問表を用いたRBD、日中の過度の傾眠、不眠)、情緒関連(抑うつ、アパシー、疲労、不安)と痛み、嗅覚低下、便秘、症状を伴う起立性低血圧、日中の頻尿などの出現を追跡した。22例では運動症状発症前に非運動症状を経験し、内訳は便秘11例、日中の頻尿8例、睡眠関連 7例、嗅覚低下 6例、情緒関連と痛み 4例であった。3例が両側対称性の発症であった。40例では2(0-22)か月後に薬物治療が開始され、3例では治療開始後9カ月でON/OFF現象が出現した(LEDD 399mg)。12例ではまだ薬物治療は開始されていない。49例中31例は15(0-138)か月後に両側性となった。15か月後には24例で運動症状出現後の最初の非運動症状が出現し、内訳は情緒関連と痛み15例、睡眠関連4例、便秘4例などであった。約40%の症例では、黒質-線条体路のドパミン作動性神経「以外」のコリン作動性神経、セロトニン作動性神経、複数のニューロトランスミッター作動性神経からパーキンソン病が始まっていると考えられた。運動症状の出現は90%以上の症例で片側性であり、運動症状の進行は一様ではない。ごく一部の症例において、治療開始後9カ月で運動合併症が生じた。運動症状が両側性になるころに、運動症状出現後の最初の非運動症状が出現する。すなわちコリン作動性神経、セロトニン作動性神経、ノルアドレナリン作動性神経、複数のニューロトランスミッター作動性神経に病変が進展した。新規発症・未治療 パーキンソン病患者を追跡して、ドパミン作動性神経、コリン作動性神経、セロトニン作動性神経、ノルアドレナリン作動性神経に病態が進展することを明らかにした。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件)
Biomedical Reports
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10.3892/br.2018.1086
Neurology and Clinical Neuroscience
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