本研究は、マウス胎児において、造血幹細胞がどのように産まれてくるのかを明らかにすることを目的としており、とくに幹細胞らしさがどのようにして獲得されるのかに焦点を当てて進められた。研究期間内には、造血幹細胞が産まれる過程において、mRNA量、細胞の大きさが大幅に減少すること、細胞表面タンパクであるCD71およびCD98が減少することを明らかにしており、mTORシグナルの関与が強く示唆された。これらは、幹細胞らしさの獲得メカニズムの一端を明らかにする成果であり、造血幹細胞の試験管内誘導法開発への応用が期待される。
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